推しの子第155話「ハッピーエンディング」では、物語の最終段階に突入し、大きな感動と衝撃的な展開が描かれました。ルビーが次のステージに進もうと扉を開けるシーンは、母・星野アイが甲斐原良介に刺された瞬間を彷彿とさせる場面となっています。
前回の154話を見返したい方はこちら：推しの子 154 Raw
推しの子 155話 Raw – 推しの子 155 Raw
復讐の終焉
物語がクライマックスを迎える中、結末は多くの期待を裏切る形となりました。カミキはアイのラブレターを読み、静かに舞台から退場するという穏やかな終わりを迎えます。この結末はさらなる疑問を呼び起こします。特に、過去の犯罪におけるカミキの関与については未解決のままです。
解決されない謎
カミキは片寄ユラの殺害現場にいたとされていますが、天ヶ瀬五郎や甲斐原良介に関する事件では彼の役割が曖昧なままです。また、元B小町メンバーのニノの関与が描かれていない点も物語の解決に隙間を残しています。
許しと矛盾
この章では、道徳的な葛藤が描かれています。ルビーの「許す」という行動に影響され、アクアがカミキを許す決断を下したことが重要な転機となっています。しかし、この展開にはいくつかの懸念が残ります。
- 選択的な正義
カミキがアイのラブレターによって許される一方で、彼の行動が犯罪に関与していた場合、法的責任はどうなるのかという疑問が残ります。一方で、ニノの殺人事件への関与が示唆されているにもかかわらず、その追及は十分になされていません。 - 物語のつながりの欠如
突然の結末は、それまでの物語の展開と少し断絶しているように感じられます。アイのラブレターが登場した瞬間にカミキの改心が確定してしまったように見え、物語の緊張感が薄れる印象があります。
茜の変化
この章では茜にも焦点が当てられています。茜は髪を切り、星野アイの模倣をやめる決意を示しました。この行動は、茜の精神的成長と自立を象徴しています。一部ではこの髪型が他の象徴（例：ベーキングソーダ）と重なるとの指摘もありますが、茜の意図は純粋なものであるため、これらの批判は的外れと言えるでしょう。
カミキの退場とその曖昧さ
カミキの最後の言葉「自分にできることをやる」は解釈の余地を残します。これが意味するのは、罪の告白や法的な償いをするという可能性かもしれません。または、彼の内面的な葛藤が続いていることを示しているのかもしれません。
この言葉が曖昧である以上、彼が将来的に再び物語に関与する可能性も否定できません。
ニノの存在
ルビーが「他人を許すこと」を選んだ結果、アクア自身もカミキを許す道を選び、カミキに対する復讐は終わったように見えます。しかし、もしカミキがすべての犯罪を犯したのであれば、社会的制裁ではなく法的に裁かれるべきです。これについては、以前のレビューでも書いた私の個人的な意見です。
一方で、アクアと茜は別の「犯罪」の可能性を考えています。それは、元B小町メンバーのニノが、甲斐原良介、片寄ユラ、そして天ヶ瀬五郎の殺害に関与している可能性です。
結論：ほろ苦いフィナーレ
第155話は、過去の行動の重みと赦しの可能性について考えさせられる章となりました。カミキの未来が曖昧なまま残されていますが、物語の最後の瞬間に向けて、ニノの役割がさらに重要な鍵となる可能性を示唆しています。
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