キングダム第810話では、咸陽の指導部が重要な決断に直面し、南陽での状況がますます複雑化しています。この章では、李信将軍、五教、そして南陽の人々とのやり取りや、飛信隊内の動態が焦点となっています。

留安の解放

滕将軍の命令により、留安は処刑を免れ釈放されました。この決定をきっかけに、文官たちの間で議論が交わされ、五教は協力したいと表明するものの、直面する困難を認めます。五教の態度は以前より協調的になっており、初登場時の冷酷な姿とは対照的です。

咸陽における指導力の動態

皇帝の宮廷から、六大将軍が地方の知事より上位に位置するとの判決が下されたにもかかわらず、五教は知事の地位を維持していました。彼は滕の目指す、秦と漢の文化が共存する南陽を作るというビジョンを支援するよう、官僚たちに頭を下げて懇願します。五教は協力の意思を見せつつも、その実現には困難が伴うことを認めています。

南陽での軍事訓練

その一方で、南陽では軍事訓練が行われています。多くの新兵は徴兵により集められたため、体力訓練が最優先となっています。しかし、特別な部族出身の兵士もおり、彼らは特異な能力を持っているようです。一方、李信は、滕が南陽を平定する鍵が、王騎軍ではなく、飛信隊にあると信じていることに悩まされています。

李信将軍の新しい住居

李信は呼び出され、飛信隊が駐屯している地域を管理する老人・翁元のために新しい居住地が用意されたと告げられます。翁元は、李信に豪華な邸宅群を見せ、その中で最も大きな邸宅を使うよう勧めます。しかし、李信はその前に住んでいた住民について尋ね、翁元は彼らを他の場所に移したと説明しますが、李信は人々を追い出すことを望んでいないため、この状況に戸惑いを感じます。

我呂の助言

我呂は李信に状況を受け入れるよう促し、南陽の人々が飛信隊に対して尊敬と恐怖を抱いていることを思い出させます。飛信隊が乱暴に振る舞わなくても、ただ彼らが近くにいるだけで、漢気のように恐ろしい存在だと説明します。この比較に驚いた李信は、不本意ながらも邸宅の使用を了承しますが、依然として悩んでいます。

南陽の人々との宴会

李信は、南陽の人々との団結を深めるために宴会を開くことにします。滕の「秦と漢の文化が融合するユートピアを作る」という考えに触発され、秦の料理を提供することを決意しました。しかし、漢の住民はまだ警戒心が強く、特に女性の参加についてはためらいがあり、混乱が生じています。

河了貂は李信が独断で決定していることを批判しますが、李信は飛信隊の幹部全員が参加すべきだと主張します。毒を恐れている我呂のように怖がっている者は無理に参加しなくてもよいとし、宴会には武器の持ち込みを禁止しました。

宴会の様子

宴会が始まると、南陽の住民は飛信隊が無装備であることに驚きます。子供たちは飛信隊を怖がらず、特に王賁に親しみを感じているようです。翁元は李信の隣で座って食事をしていましたが、どうやら食べるのに苦労しているようです。

一方、家族を秦に殺されたと思われる少年がナイフを手に取り、暴れようとしますが、飛信隊の隊員たちは彼に気づいていながらも見て見ぬふりをします。おそらく、少年を責めたくなかったためでしょう。突然、翁元が李信将軍にナイフで襲いかかりますが、李信はすぐに彼を取り押さえました。この大胆な行動に場は騒然となりますが、李信がこの無礼にどのように対処するかは次の展開にかかっています。

結論

第810話は大きな緊張感を残して終了し、李信が翁元の行動にどう応えるのかが見どころです。次の第811話では、南陽の未来と秦と漢の文化の共存がどう展開していくのか、さらなる波乱が待っているでしょう。